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ハノイで最終ワークショップ開催

2017年1月11日、プロジェクト最終ワークショップ『Workshop on Antimicrobial Resistance (AMR): from Research toward Action』がハノイ国立栄養院で開催されました。ワークショップの狙いは保健医療・動物セクターが協調したワンヘルスアプローチで薬剤耐性問題に取り組むことを促進し、ベトナムで耐性菌が拡散しないための解決策を模索することです。耐性菌対策に取り組む約60名が本ワークショップに参加し、ベトナム保健省(MOH)、農業農村開発省(MARD)、JICA、WHO、FAO、USAIDなど国際機関の他、AMR研究者がデンマーク、スウェーデンと日本から集まりました。

冒頭、保健省食品管理局局長の開会挨拶で始まり、本プロジェクト・マネージャーがベトナムの耐性菌の現状とプロジェクト紹介を行いました。動物セクターを代表しFAOが、MARDが策定した動物に使用する抗生剤をコントロールする国家計画を紹介しました。海外の事例として、デンマークの研究者が、人・食品・動物を網羅した耐性菌サーベイランス国家システムを紹介し、参加者の注目を浴びました。本SATREPSプロジェクトの研究者からは、あるコミュニティの健常人から分離した耐性菌の遺伝的な多様性を示しつつ、あたかも貯水池のように、コミュニティ内が変化する耐性遺伝子のリザーバーになっている可能性を示唆しました。午前セッションの締めとして、保健省副大臣が貴重なスピーチを参加者へ投げかけ、ベトナム首相が1月にMOH-MARDが協調してAMR対策に取り組む政策を発表したばかりであることに触れました。副大臣は、病院、予防薬剤、食品安全の観点から耐性菌に取り組む必要がある点を強調しつつ、本SATREPSプロジェクトがベトナムで最初に食品から耐性菌研究に取り組んだ点、コミュニティ住民に対して耐性菌を減らす介入活動を展開した点について賞賛の辞をいただきました。午後のセッションは、病院内における耐性菌の現状とリスクについてスウェーデンおよび国立衛生疫学研究所の研究者から発表がありました。また、WHOからベトナムの最新アクションとして耐性菌データを収集・蓄積するサーベイランスシステム(GLASS)が動きつつあることが紹介されました。これらの発表を振り返りつつ、参加者全員は、どのようにワンヘルスを促進するか、どのように人々や生産者などとコミュニケーションをし行動変容へつなげるか議論をしました。 ワークショップは、本プロジェクト・ダイレクターである国立栄養院長の閉会の辞で閉められ、プロジェクトメンバーの多大な努力と関係機関の協力に対して謝辞が述べられました。

保健省副大臣のスピーチ.

VFA局長の開会の辞.

NIN所長の閉会の辞.

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