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人類学・開発学に関する研究

大阪大学グローバルコラボレーションセンター(GLOCOL、住村欣範、上田晶子、本庄かおり)は、GLOCOL 共同研究「ベトナムにおける家庭果菜園を利用した栄養ケアとフードセキュリティのモデル構築のための共同研究」(平成20~21)を実施し、この過程で、屋敷地内で行われている複合農法の実態について明らかにしました(住村欣範著「食の転換期を迎えたベトナムにおける文理協働型の共同研究の可能性について」思沁夫編『多様性・持続性:サステイナビリティ学教育の挑戦』GLOCOL ブックレット, 2009)。また、同じくGLOCOL 共同研究「食糧の安全保障に関する学際的研究:食糧確保のセイフティネットの事例の比較を中心に」(平成20~21)においても、ベトナムの農業の近代化に伴い、食料に関する問題が量から質へ、とりわけ「安全衛生」の問題へシフトしてることを明らかにしました(住村欣範著「農家の屋敷地から見たベトナムにおけるフード・セキュリティの歴史的見取り図」上田晶子編『食料と人間の安全保障』GLOCOL ブックレット, 2010)。これらの研究の基礎の上に、いずれもベトナムを対象地域の一つとして、科研費基盤A「フードセキュリティの人類学的研究」(平成22~26)および科研費基盤C「食に関するローカルナレッジの総合的研究」(平成22~24)において、ベトナムの食の安全に関する研究を遂行中です。
さらに、薬学研究科と共同で行っている大学院教育改革推進プログラム「健康環境リスクマネージメント専門家育成」(平成21~23 年度)においては、ベトナムも交流対象地域の一つとして、食、環境の安全・安心に関する研究教育交流プログラムを実施中です。この過程で、ベトナム側の強い要望を受けて、食の安全に関する人材育成とキャパシティ・ビルディングに関する研究交流も行っています(住村欣範編『ベトナムにおける食の安全』GLOCOL ブックレット〈印刷中〉)。
【その他】研究分担者朝野和典は、院内感染制御研究を通して薬剤耐性菌の性状ならびに臨床的観点からの感染症対応に精通しています。微生物病研究所の本田武司、飯田哲也はいずれも腸内細菌感染症において細胞分子レベルから臨床までの幅ひろい研究領域をカバーする本邦を代表する研究者であり腸内細菌固有の性状に精通しています。岐阜大学の山本眞由美は、保健衛生管理の実務者として豊富な実績を有し、地域での包括的な保健衛生的観点からの研究の第一人者です。大阪府立公衆衛生研究所の久米田裕子は、食品検査の細菌学的領域での多くの経験と研究実績を有します。国立感染症研究所の大山卓昭は、感染症疫学では本邦を代表する疫学者で、国内外で多くの研究ならびに実務実績を有します。このように、研究代表者ならびに分担研究者及びその共同研究者等によって形成された微生物学的、薬学的、人類学・開発学的研究基盤、さらには感染症、公衆衛生、食品検査、保健衛生、感染症疫学の各領域における本邦トップレベルの研究者による研究組織は本申請課題研究を高いレベルで遂行し得ることを示すものです。