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招へい外国人研究員長期研究 大阪府立大学 2013年4月~2017年2月

ホーチミン公衆衛生医療院からは、1名の微生物学者が大阪府立大学大学院生命環境科学研究科で博士課程を専攻しています。Ms. Hoang Hoai Phuongに研究の様子をインタビューしました。

Q1 日本ではどのような日常生活を送っていますか?

A1  日本の生活は快適です。大学の指導教官や友人はとても親切ですし、私が日本の生活に適応できるよう助けてくれますし、研究についても教えていただいています。大阪府立大学の研究施設も最新で充実しており、大変良い環境ですし、ここで新たな科学的知見と技術を学ぶことができます。日本の生活をとても楽しんでいます。

Q2 研究のゴールは?

A2 研究のゴールは食品から分離した大腸菌と、ホーチミンの人、食肉と環境から分離した大腸菌との関係について研究することです。

Q3  研究室で、主にどのような事をしていますか?

A3 研究のゴールを達成するために研究室では、遺伝子の系統解析、病原性遺伝子の特性、細菌の特性(ステレオタイピング)、抗菌薬感受性テスト、DNAフィンガープリンティングなどを行っています。今は、ホーチミンの食品サンプルから分離した大腸菌の解析を行っています。さらにSATREPSの研究プロジェクトである、マウスにおけるESBL産生大腸菌保菌状態の安定化に寄与する因子について研究を山﨑教授の指導の下行っています。マウスにESBL産生大腸菌を経口的に投与し、抗菌薬がどのようにESBL産生大腸菌の定着化に影響するか解析をしているところです。

Q4  現時点での研究成果は?

A4 今のところ、ホーチミン食肉検体から分離した大腸菌の系統解析や病原遺伝子の分布を調べています。近いうちに学会発表できるよう頑張っています。

Q5  博士課程が終わりベトナムのホーチミン公衆衛生研究所へ戻ったら、どのようなことがしたいですか?

A5 大阪府大で得た新たな科学的知見や技術、また日本の友人と体験したことをIHPHに持ち帰り応用したいです。そのためには、自身の食品由来病原菌についての研究能力、病原性細菌と薬剤耐性細菌の分子生物学的解析手法をもっと向上させたいと思っています。そうすれば食品安全管理、特に食品由来の細菌汚染検出や薬剤耐性細菌のモニタリングに貢献できると思っています。

                           

 

担当教官:大阪府立大学 山﨑伸二教授から一言(Phuongさんの研究姿勢についてなど)

Phoungさんは、2013年4月に来日してまだ4ヶ月あまりしか経っていませんが、日本の生活や研究室にも慣れて朝早くから夜遅くまで研究に打ち込んでいます。日本にいる4年間で、より多くのことを学びたいと土曜日、日曜日も大学に来て勉強に励んでいます。礼儀正しく、思いやりのある優しい性格の持ち主で、研究室の留学生のみならず日本人学生からも「お母さん」と呼ばれる存在です。日本の文化にもたいへん興味を持っており、将来ベトナムと日本の架け橋となる研究者に育ってくれると期待しています。