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招へい外国人研究員短期研修『メコンデルタにおける薬剤耐性菌に係る分子疫学コース』終了

2014年9月~2015年2月14日

Tran Thi Thu Suong研究員(カントー大学)が日本での短期研修を修了しました。Suong研究員は、ベトナムのメコンデルタ家畜生産地のおける薬剤耐性菌(ESBL産生大腸菌)の多様性をテーマに、大阪大学、大阪府立大学で研修しました。2月6日、研修成果をファイナルレポートにまとめ、大阪府立大学で発表しました。Suong研究員は、この研修成果を修士論文に活かし、カントー大学で修士号を取得する予定です。

  

Suongさんからのメッセージ
『私はカントー大学農学/応用生物カレッジの食品技術学部に所属しています。ベトナムは、経済や教育は成長しつつありますが、環境や食品安全に関する保健医療分野は発展途上であり、国民は食品/水中の細菌を介した感染症の問題に直面することがあります。ベトナムと日本政府による共同プロジェクトである本SATREPSプロジェクトは、食品・家畜・人が保菌する薬剤耐性菌 (ESBL産生大腸菌)についての研究プロジェクトです。カントー大学も、本プロジェクトのメンバーとして、メコンデルタの食品流通過程におけるESBL産生大腸菌の発生状況を研究しています。この一環として私は、大阪大学、大阪府大で薬剤耐性菌に関する分子疫学研修に参加しました。研修中は、メコンデルタで検出した養鶏結腸中と養鶏場(敷藁)のESBL産生大腸菌の特徴を分析することを目的に、集中的に研究しました。研修成果は、本プロジェクトに貢献し、私の修士論文にも活かす事ができます。特に、研修で多くの近代的で有用な分生生物学のテクニックを学び、今後もカントー大学の実験室で応用できるスキルを学ぶことができました。また、私自身のためだけでなく、他の研究者とも分子生物学の知識と経験を共有するつもりです。最後に、このような機会を与えてくれたJICA、JST、大阪大学、大阪府立大学の皆さんに深く感謝します。そして、今後もこのようなベトナムの将来に役立つ研修コースがあることを願っています。』

指導教官より一言(大阪府立大学 生命環境科学研究科 山崎伸二 教授)
『Suongさんは研究室院の心を和ませてくれる素敵な笑顔を見せる反面、研究室に入ると寡黙に、真摯に研究に取り組んでいました。府大で学んだ成果をベトナムの為に役立ててくれる事を期待しています!』