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やさしい『薬剤感受性試験(ディスク拡散法)』解説編

薬剤感受性試験(ディスク拡散法)って何?

皆さん、こんにちは、ハノイ国立栄養院(NIN)のプロジェクト事務局取材班です。
今日は、大阪大学SATREPS招へい研究員、上田宗平さんがESBL産生大腸菌の『薬剤感受性試験(ディスク
拡散法)』を行っているところを取材しました。

 

取材班:『上田さん、薬剤感受性試験って何ですか?』

上 田:『抗生物質に対する細菌の感受性を調べるために行われる試験です。』

取材班:『難しすぎて、さっぱりわかりません、素人でもわかるよう教えてください。』

上 田:『簡単に言うと、バイキンに対して薬が効くか、効かないか確認するためのテストです。』

取材班:『なるほど!どの薬を使えばバイキンをやっつけられるか、テストするんですね。』

取材班:『どれどれ、上の結果サンプルを見ると、バイキンまみれのゼリー上に、薬を含んだ白い紙を
     のっけて、周りが透明になったらバイキンやっつけた!透明になっていないところは、バイ
     キン元気ってことですね?』

上 田:『ハイそのとおりです。この透明になっている円は阻止円と呼ばれ、阻止円の直径の長さによ
     って、そのバイキンが耐性なのか感性なのか基準が設けられています。』

取材班:『では、どんなふうに実験の準備するか教えてください。』

上 田:『一晩培養した元気な菌株を、適量滅菌生理食塩水にMcFarland 0.5の濁度になるように溶か
     し、細菌懸濁液を作製します。』

取材班:『調べたいバイキンを試験管の中で育てるんですね。おぉチャン研究員、細かい作業を健気に
     がんばってますね~。』

上 田:『この溶液に滅菌綿棒を浸した後、Muller Hinton寒天培地の表面をカバーするように3回にわ
     たって塗りつけ、薬剤ディスクを置き、37℃ 16-18時間培養します。翌日、阻止円の直径
     を計ります。』

取材班:『エサを与え増やし、抗生物質を注射するんですね。あれ、このお鍋は何ですか?』

上 田:『この鍋の中には、複数の薬剤ディスクを同時にプレートへ貼り付けるディスクディスペンサ
     ーと呼ばれる機械が入っています。今回の実験ではとても重宝しました。』

取材班:『それは便利な道具ですね。一気に注射する感じで実験にかかる時間を短縮できますね。』

 

~そして翌日~

取材班:『結果出ましたか?』

上 田:『ハイ、チャンさんが手伝ってくれたおかげで、キレイな結果がでました!』 

取材班:『ガン研究員がチェックしてますね。うわ、効かない抗生物質が結構あるんですね。これ全部
     効かないESBL産生大腸菌って、いるんですか?』

上 田:『全ての薬剤に耐性を持つ菌株は、これまで見たことがありません、しかし殆どの薬剤に耐性
     を持っている株は、ちらほら出てきています。』 

取材班:『薬剤耐性細菌って怖いですね。でも効く薬を知っておくのって大切ですね。お、実験データ
     を細かくまとめているんですね、とても几帳面ですね。』

上 田:『ハイ、コツコツとデータをまとめて、論文を書くために積み立てています。』

取材班:『どうも、ありがとうございました。
これからも皆さんにわかりやすく紹介していきますので、次回をお楽しみに!』