ホーム > 論文が受理されました

論文が受理されました

ハノイ国立栄養研究所(NIN)、大阪大学、タイビン医科薬科大学、カントー大学、 大阪府立公衆衛生研究所の薬学チームが共同執筆した論文が国際誌Chemosphereに受理されました。本論文は、大阪大学・大学院薬学研究科へ長期研修員として留学中のNguyen Van Sy研究員(NIN)が筆頭著者として書きました。ベトナムで薬剤耐性菌が蔓延する要因のひとつに、人や動物に対する抗生剤の濫用があげられ、使用された抗生剤は、川、池など環境にも流出していると推察されます。しかし、環境に流出したアンピシリンを含むβ-ラクタム系抗生剤 は分解されやすいため、検出が大変困難でした。そこでSy研究員のチームは、アンピシリンやアンピシリンと共通化学構造を持つb-ラクタム系抗生剤が分解される過程で残る『2-hydroxy-3-phenylpyrazine』 という物質に着目し、その分解産物を検出する手法を開発し、ベトナム北部と南部の環境水中の残留実態を解析しました。本論文では、聞き取り調査などでアンピシリンが高頻度に使用されていることが確認されていた地域周辺において、極めて高頻度にHPPが検出されたことが報告されています。また、このような抗生剤の分解産物の分析は、抗生剤の環境への流出 をモニタリングする手法として有用と思われることが、本論文で提言されています。

Title

Residues of 2-hydroxy-3-phenylpyrazine, a degradation product of some β-lactam antibiotics, in environmental water in Vietnam.

Authors

Nguyen Van Sy1,2, Harada Kazuo1,*, Asayama Megumi1, Warisaya Minae1, Le Hong Dung2, Sumimura Yoshinori3, Khong Thi Diep4, Le Viet Ha4, Nguyen Nam Thang4, Tran Thi Tuyet Hoa5, Tran Minh Phu5, Pham Ngoc Khai4, Nguyen Thanh Phuong5, Le Danh Tuyen2, Yamamoto Yoshimasa1,6 and Hirata Kazumasa1.

Author Affiliations
  1. Applied Environmental Biology, Graduate School of Pharmaceutical Sciences, Osaka University, Japan.
  2. National Institute of Nutrition, Viet Nam.
  3. Global Initiative Center, Osaka University, Japan.
  4. Thai Binh University of Medicine and Pharmacy, Viet Nam.
  5. College of Aquaculture and Fisheries, Can Tho University, Viet Nam.
  6. Osaka Prefectural Institute of Public Health, Japan.
* Corresponding author
Journal

Chemosphere,Volume 172, April 2017, Pages 355–362

dx.doi.org/10.1016/j.chemosphere.2016.12.156

プロジェクト発表論文リスト