薬剤耐性菌蔓延を予防する公衆衛生介入研究
公衆衛生介入研究のアプローチを若手研究者へ紹介するVan研究員(国立栄養院NIN)
2016年3月28日から29日、ハノイ国立栄養院(NIN)が、ハノイ市バビ郡の村落で行ってきた薬剤耐性菌蔓延を予防する公衆衛生的な介入活動について、疫学的な評価を行いました。これまでNINは、同村落の住民が保菌する耐性菌、台所・トイレなど住環境の耐性菌、住民の衛生意識や抗生物質についての知識等について調査を行い、得られた統計データから耐性菌が蔓延しているリスク要因を分析してきました。これらリスク要因を低減させるため、NINは同村落で公衆衛生的な介入活動を半年間かけて行ってきました。
2015年9月からバビ地区で実施された介入活動の様子
住民に耐性菌と抗生剤の正しい知識を説明するNIN微生物学者 | 正しい手洗い方法を指導するNIN人類学WGの専門家 |
プロジェクトが作成した手洗い方法についてのポスター | 村の屋外に掲示された衛生啓発用ポスター |
小学校での手洗い指導 | 小学生向け衛生知識テスト |
2016年3月28日、NINは日本側研究者と、介入前・介入後の耐性菌保菌率の変化に関する統計データを突き合わせ、データ解釈を行いました。いくつか統計データを精査する必要があることが指摘され、また介入後の住民意識等の変化(KAP調査)の最終取りまとめを待ってから、最終的な解釈を出すこととしました。
介入前後の統計データを分析するNIN研究者と日本人疫学者・人類学者
微生物学的データ変化を分析中 | 人類学WGとKAP調査の結果を協議中 |
翌3月29日、NINは疫学手法を応用した本取り組みを、NINの若手研究者と共有する職員研修を実施しました。実地疫学者である国立保健医療科学院の大山卓昭・上席主任研究官が、疫学アプローチのフレームワークを若手研究者に紹介しながら、プロジェクトが実際に行っている介入研究の事例紹介をしました。
NIN若手研究者向け職員研修の様子
大山先生による疫学基礎講座 | |
プロジェクトの介入研究事例を解説 |