
活動成果
2025.04.09
活動成果
【報告】熊本大学 ニューメキシコ大学研修
【日 程】2024年11月~2025年3月
【研修先】ニューメキシコ大学薬学部
University of New Mexico College of Pharmacy(オンライン)
【参加者】教員 1名 、講師 2名
【プログラム研修等の内容】
薬学教育の急速なグローバル化が進む中、国際的な活躍が期待される高度先導的薬剤師の育成を推進するためには、学生の国際交流の推進や語学力・コミュニケーション力の強化に加え、指導教員のグローバル化・指導スキルの向上を目的とした新たな高度薬学教育プログラムの開発が必須である。本研修では、米国における臨床薬学研修に関して豊富な実績のあるニューメキシコ大学薬学部(UNMCOP)との連携により、グローバル薬学教育環境の整備・強化を企図とした臨床薬学研修プログラムの構築を目的とし、UNMCOPが提供するInternational Teaching Certificate Program(ITCP)プログラムを教員が実施することで、海外連携教育プログラムの推進・発展を目指す。
【実施した感想】
国際通用性の高い学部教育プログラムを開発するためには、各国における薬学教育の特色を理解し、教育研修プログラムの具体化を図ることが必要であり、本学では2017年より薬学部教員や地域薬剤師を対象に、International Teaching Certificate Program(ITCP)の実施を通じた活動を実施してきた。Active learningの一つである「チーム基盤型学習」の手法・評価法に関する本プログラムの継続実施により、本年も、充実したITCPを実施することができた。本研修の実施に際し、ニューメキシコ大学薬学部(UNMCOP)のProf. Barry BleskeおよびDr. Mikiko Takedaには本年度も多大なるご支援・ご協力を賜り、心より感謝申し上げます。今後も、本プログラムの進化・発展させ、国際通用性の高い海外連携教育プログラムの開発を継続して取り組んでまいります。
【参加した感想】
ライブ授業では、研修内容はどれも実用的で大きな学びとなりました。また、日米間の薬学教育カリキュラムの差、ニューメキシコでの薬剤師の活躍の現状、一緒に参加した他大学の先生方の授業での悩みや工夫なども知ることができ、視野が広がりました。宿題は、参加者が各々授業テーマを設定してLOsや授業プラン、試験を作成したり、各々が症例(シナリオ)を設定してDIやケアプランの学生向けの課題・模範回答を作成したりするものでした。「解く」宿題ではなく「創る」宿題で、骨が折れましたが、それだけ身についた様に思います。毎授業の冒頭ではDr. Bleskeから良かった点や見落としていた点等をフィードバックしていただき、理解が深まりました。また、「創る」宿題の特性上、取り組む参加者ごとに内容が多種多様であったため、全体を通して大変勉強になりました。
学ぶことが盛り沢山だったITCPにおいて、特に印象に残ったのはLOsとTBLです。授業毎の到達目標であり、テスト範囲でもあるLOsは、例えば「疾患Aの症例から、適切な初期治療薬を提案することが出来る」など、かなり具体的な目標で、学生が何をどのように勉強すればよいかの指針になります。この際、「~がわかる」などの知識レベルの動詞よりも、応用や問題解決レベルの動詞を用いてLOsを設定することで、到達度を高くできることも学びました。授業から試験を考えるのではなく、試験から授業を考えるというアプローチも印象的でした。自分の授業を持つ際には、必ずLOsを活用したいと思います。また、active learningの中でもTBLは、実際に体験してみて非常に面白く、資料の準備や円滑なタイムテーブルを探るのに時間はかかりそうですが、いつか部分的にでも授業に取り入れることが出来たらと思いました。このような貴重な研修の機会をいただき、オーガナイザーの城野先生をはじめとする先生方に深く感謝申し上げます。