活動成果

2017.08.03

活動成果

【平成29年7月26日開催 特別講演会】高度先導的薬剤師の養成とそのグローカルな活躍を推進する アドバンスト教育研究プログラムの共同開発

薬学科学生、博士前期、博士課程の学生を対象として特別講演会を開催しました。
薬学部教員も含め約100名の出席者のもと高田龍平先生の御講演が実施されました。

「おばあちゃんでも分かる研究、臨床の場とむすびつく内容」「多くの共同研究者と
一緒に研究を実施することの重要性」等の研究への姿勢を大局的にお話しいただきました。
次に、生活習慣病に関連する内因性物質を輸送するトランスポーターについての
最近の研究成果を紹介くださいました。痛風の原因となる尿酸を体外へ排出する
トランポーターの遺伝子変異に対しての基礎と臨床面から迫った大規模な研究成果の
紹介がありました。また、コレステロールを輸送するタンパク質のNPC1L1を
標的分子としている脂質異常症治療薬エゼチミブ(商品名ゼチーア)の添付文書中に
ワルファリンとの併用でワルファリンの作用が増強することが記載されていたものの、
そのメカニズムが不明であったことからスタートした研究について紹介がありました。
腸からのビタミンK吸収がNPC1L1で行わることを明らかにし、エゼチミブ服用時には
ビタミンK吸収が阻害されるため、肝臓でのビタミンKレベルが低下することから、
ワルファリンの薬効が増強することを明らかにされました。

薬剤師が平素の業務で接することの多い疾病や医薬品情報を薬学的観点から
読み解いたところを出発点とした研究を紹介いただき、富山大学の学部生や
大学院生も興味深く拝聴しました。また、講演後の質問で、薬学科生から
「大学院(博士課程)への進学を迷っている」の質問に対して、
若い大学院生時代に研究に没頭する時間を持つことの大切さを説かれました。

講 師:東京大学医学部附属病院薬剤部講師/第一副部長 高田龍平先生
演 題:薬剤師として取り組むべき、学生時代の研究との向き合い方について
日 時:平成29年7月26日15:00-16:30
場 所:富山大学大学院医学薬学研究部大講義室(〒930-0194 富山市杉谷2630番地 )
連絡先:細谷健一(富山大学大学院医学薬学研究部薬剤学研究室・電話076-434-7505)

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