活動成果

2019.02.05

活動成果

【報告】熊本大学 Amakusa Medical Students (AMS) 研修~地域医療に貢献する学生の力~

日程:
H30.8.29-8.31、H30.10.27-28、H30.11.23、H31.2.23

研修先:
JA新潟県厚生連 佐渡総合病院、佐渡市役所、佐渡市の医療施設、熊本県立天草青年の家、松島総合センター「アロマ」(上天草市役所)、上天草市役所 上天草総合病院

概要:
天草地域は、少子高齢化、人口減少の進展に伴い、医療提供体制に多くの問題を抱えている地域の一つである。学生団体”Amakusa Medical Students (AMS)”は、天草出身の医療系大学、専門学校に通う学生間の交流の場を作り、学生が自ら地元の地域医療の実情を現地で学び、解決策について考える機会を作ることを目的にH29年4月に発足した団体である。
本年度は、8/29~8/31の3日間で同じ離島の地域医療問題を抱える新潟県佐渡市にて展開されている地域連携医療ネットワークシステム「さどひまわりネット」について学び、天草地域の医療問題の解決に向けた策を考えるインターンシップを実施した。また、H29年度に開催したAMS主催のワークショップで企画立案された地域医療の課題解決にむけた新規プロジェクトの実現化に向け、10/27・28に合宿型アイディアソンを開催した。11/23には、昨年度に引き続き、上天草市健康フェアにて、天草郡市薬剤師会と共同で住民を対象とした医療系学生による健康推進講座の開催、小学生を対象とした薬剤師体験ブースを出展し、地元住民と交流した。H30年度の活動報告を上天草総合病院の院内学会にて行った。

実施した感想:
新潟県佐渡市を訪問し、地域連携医療ネットワークシステムは便利である反面、ユーザーの利用頻度の違いが課題でることを学んだ。また、橋を介して陸が続き、3つの自治体がまたがっている天草地域と異なり、佐渡市は完全な離島で一島一市であることが、地域医療ネットワークを地域包括ケアシステム構築に取り入れやすい環境下にあることを学んだ。今回、得た情報は天草地域の行政・医療従事者と共有し、天草地域でも利用されている医療ネットワークの活用につなげていきたいと思う。さらに、今年度は地域医療課題解決策の実現化に向けて具体的な企画案を作成することができた。来年度は実際に実現に向けて実行していきたいと思う。

参加学生の感想:
佐渡市では、3日間に渡って多くの職種の方のさまざまな視点からの考えを聞いて、さどひまわりネットについてだけでなく、僻地医療・地域医療、日本の医療制度などについての疑問や今後の動きなどについても触れるとてもよいきっかけになった。さどひまわりネットは、参加する前に佐藤先生のオンライン講義をきいた印象では、みんなが活用しているすごいシステムだなと思っていたが、実際に参加して現場の声を聴くとたくさんの問題点がまだまだあるのだなと感じた。
また、上天草市では、佐渡市と同じ地域医療の課題を抱えていることを学ぶことができた。しかし、完全な離島である佐渡市と橋によって陸続きで移動できる交通手段をもつ天草地域では、患者の医療施設へのアクセス環境が異なるため、佐渡の医療ネットワークシステムをそのまま上天草市に導入するのは難しいのかなと思った。
今回、研修に参加して、以前から人の生活に関わることに興味があったが、市より県、県より国のほうが大きなことができるのかなと漠然と想像していたが、地域の声を直接聞きつつ携われるのは県や市の方で自分の目で結果まで見ることができるかもしれないというイメージを新しくもつことができた。いろいろな知識に触れ、普段の生活ではできない意見交換ができて非常に充実していて、自分の将来を考える上でもよい経験となった。

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