静岡県立大学 臨床研究実施能力醸成に向けた教育手法開発についてのワークショップ

2024.11.05

【日 程】2024年7月29日(月)~30日(火)
【研修先】静岡県立大学薬学部
【参加者】•特別講演:37名(学部生8名、大学院生9名、教員20名)
     •ワークショップ:14名(学部生6名、大学院生1名、教員6名、静岡県薬剤師会1名)
     •発表会:18名(学部生9名、大学院生1名、教員7名、静岡県薬剤師会1名)

【プログラム研修の概要】
 1日目
 10:15 イントロダクション、コーディネーターによる趣旨説明
 10:30 基調講義 "Healthcare Horizons: Past, Present, and Future of Pharmacy Quality"
 Dr. Middletonによる"Real world" quality improvement skillsの講義

<Workshop for the clinical research methodology education>
 13:00 Section I: Section I: What are we trying to accomplish?
 説明(Dr. Middleton & コーディネーター)およびProject time 1
 15:00 Section II: How will we know that a change is an improvement?
 説明(Dr. Middleton & コーディネーター)およびProject time 2

 2日目
 9:00 Section III: What changes can we make that will result in improvement?
 説明(Dr. Middleton & コーディネーター)およびProject time 3
 13:00 Preparation for presentation (Students)
 14:30 Section Ⅳ: Presentation of class reports in the workshop by students
 Discussion with all participants
 作成したプロジェクトの発表会およびDr. Middletonからのコメント。
 参加者および見学者全員による日本における臨床研究手法の教育の在り方に関する討議。
 15:30 閉会式

【実施した感想】
 基調講義では、"Healthcare Horizons: Past, Present, and Future of Pharmacy Quality"という演題  で"Real world" quality improvement skillsについての講義があった。日本では「quality improvement」という考え方はあるが、薬学教育の中で体系的に取り入れてはおらず興味深かった。
次に、学生は4名程度の小グループに分かれてワークショップを行った。教員2名(実務家)がチューターとしてグループ討議に加わり、英語教員が1つの班に参加した。具体的に臨床事例(糖尿病、尿路感染症)を用いて、ステップごとに内容を進めてゆく形式であった。学生は言語のハードルはあるものの、内容をよく理解し討論を進めることができた。また講師のDr. Middletonも参加者から良く話を聞き、的確なアドバイスを行っており、小グループ討議は順調に進んだ。臨床現場におけるquality improvementを学ぶための一つの教育手法として参考になった。英語での内容であったが、薬学部の上級生であれば十分に対応できる内容であった。
最後に発表会を行い、学生はプロダクトを英語でプレゼンテーションした。プレゼンテーションの作成の時間を十分にとることができず、原稿も不十分なままであったが、2日間の討議の結果をまとめて発表できていた。
ワークショップにおいて、quality improvementという手法について新たに学ぶことができた。このような手法は既に我が国の臨床現場においても行われていると思われるが、薬学教育に体系的に導入していることが参考となった。Quality improvementの考え方は、臨床における(臨床現場だけではないが)問題点を科学的に明確化し、エビデンスに基づいて解決策を策定する手法であり、そのプロセスは研究にも近似すると思われた。また本科目で扱う事例は、患者等の個人情報を扱うことなく検討できるため、低学年における科学的な考え方を臨床の知識とともに教育する一つの手法になりうると思われた。
    

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