【報告】富山大学 南カルフォルニア大学薬学部における米国での薬学教育の研修
2019.09.24
日程:2019年7月1日~2019年7月14日
研修先:南カルフォルニア大学薬学部
概要:
南カルフォルニア大学の担当教授のコーディネートのもと研修プログラムが実施された。
1.アメリカの臨床薬学教育と実務実習
2.アメリカの薬学部生の生活
3.他の健康・医療系学部の見学
以上のような導入教育の後、専門的な実践薬学教育が開始された
4.精神疾患患者におけるメンタルスコアをもとにしたSOAPの記載方法。
5.患者との対話の仕方
6.うつ病患者に対する薬物療法
7.うつ病患者でのケーススタディ
8.地域のコミュニュティーファーマシーの見学
9.がん専門病院の薬剤師業務の見学
実施した感想:
アメリカでは、皆保険制度が整っていないため、患者それぞれが医療を選ぶことを学生は実感できたようである。日本との医療の差、あるいは、薬剤師業務の差を感じたことで、今後、自分達がどのように日本の医療、あるいは、薬剤師に関連した仕事を変えていくかをイメージできたたようである。加えて、2週間にわたり、海外の学生と勉強だけでなく、寝食も共にし、今後とも、コミュニュケーションをとることで、切磋琢磨していくことも期待できる。
参加学生の感想:
本プログラム中で特に印象に残っていること2点あり、1つは、日本とアメリカでの薬剤師の裁量権の差です。薬剤師が一部の薬に対して処方権を持っていることや、緊急避妊薬(Plan B)がOTC薬として販売可能であることなどが例として挙げられます。それらの理由からか、日本に比べてアメリカでは、薬剤師は社会的に高い評価を受けていたように感じました。
もう1つは、薬剤師の働き方の違いについてです。薬局見学では、調剤技師(テクニシャン)、薬剤師の働き方を実際に見ることができました。薬剤師の職務は、患者とのカウンセリング業務に重点が置かれており、プライマリーケアの拠点として薬局が機能している姿は、今後の日本が目指すべき姿を映しているように感じました。
また、中国・韓国・台湾・インドからの学生とも交流をする機会に恵まれ、ました。言語の壁も感じましたが、それでも楽しくコミュニケーションをとることができ、各国の薬学教育や薬剤師事情について情報交換をすることができました。英語でのコミュニケーションや異文化交流に不慣れな私にとって、こういった海外の学生とのコミュニケーションからは学ぶことが多く、今後につながるとても刺激的な体験となりました。